遺言さえあれば・・・・

Aさん夫婦には子供はなく、マンションで年金暮らしをしていたが、Aさんの夫が急死した。夫の妹から、法定相続分どおり4分の1の遺産を分けてもらいたいという請求があった。蓄えは乏しく、マンションを売らなくては要求にこたえられないし、売ったら住む場所がなくなる。

マンションについては、法定相続分どおり妹に4分の1の持ち分割合とする共有分割をし、妹に相当する金銭を賃料として支払っていく方法があります。問題はその支払い能力もないという場合です。

 

遺産分割は遺産の種類、各相続人の年齢、生活状況その他一切の事情を考慮して決めるとされているので(民法906条)、妹との協議によりマンションの所有権は全部妹が取得し、Aさんは亡くなるまでそこに無償で住み続けられる使用権を持つという方法になりました。

 

夫婦二人の財産なのに・・Aさんが可哀想ですよね。

 

夫が全財産をAさんに遺すと遺言書いておいてくれれば・・・

兄弟姉妹には遺留分はないので、Aさんはこんなおもいをしないでよかったのです。