被相続人に預金があり、相続人が債務があることが分からないまま、葬儀費用として30万円を下ろして葬儀費用に充てることは、社会的儀式としての見地から自然な行動と言えますよね。
その出費金額が常識の範囲内であれば法定単純承認行為である「相続財産の処分」(民法921条1号)に当たるとはいえず、相続の放棄を有効にできるものと解されます。
そして、葬儀費用に30万円程度を充てることは、社会的にみて不相当に高額のものとはいえないと思われます。
民法921条1号
相続人が遺産の全部あるいは一部を処分したとき。しかし、腐敗しやすい物をお金に換えておくように、単に遺産の値打ちを保存するだけの行為や、602条の定める期間を超えないような短期の賃貸借をすることは除かれる。
602条(短い期間が法定される賃貸借)
1 植林や伐採のために山林を賃貸するときは10年
2 その他の土地(宅地や農地)の賃貸借をするときは5年
3 建物の賃貸借をするときは、3年
4 動産の賃貸借をするときは、6か月
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高坂 (月曜日, 23 3月 2015 19:27)
そうなんですか。
全くお金に手を付けられない訳ではないんですね。
少し安心しました。
ka-ba (月曜日, 23 3月 2015 19:40)
高坂様、いつもコメントありがとうございます。
常識の範囲内であれば、大丈夫ですが、出来れば遺産分割が終わるまでは被相続人の預貯金はそのままにしておいたほうがいいです。