任意後見制度は自分が元気なうちに、自分が信頼できる人にもし自分が老いて判断能力が衰えてきた場合等に、自分に代わって財産管理や必要な契約締結等をしてくださいとお願いして、これを引き受けてもらう契約です。将来の老いの不安に備えた「老後の安心設計」であると言われています。
・利用できる人
任意後見契約の趣旨を理解できる人
将来、預貯金、不動産の管理処分、医療介護に関する契約事務などを頼みたい人
・決めること
将来やってもらいたい事務の内容
やってもらう人(信頼できる個人や法人、複数でも可)
後見人へ報酬を払う場合には、その報酬額
・手続きの方法
利用したい人と後見人になる人が、公証役場へ一緒に行き、契約します
・必要なもの
本人 実印、印鑑登録証明書、戸籍謄本、住民票
後見人になる人 実印、印鑑登録証明書、住民票
・仕事の開始
実際に本人の判断能力が不十分になり各種取引が難しくなった時からです
後見人が仕事を始めるには、「任意後見監督人」を選んでもらう必要があります
本人や後見人になる人、親族などが家庭裁判所に申立てます
・開始後の費用
あらかじめ決めてある場合は報酬を支払います
任意後見監督人の報酬は家庭裁判所が決めます
任意後見契約と一緒に結んでおける3つの契約
1 見守り契約
任意後見契約がスタートするまでの間、本人と受任者が定期的に連絡をとったり、実際に面談をしたりして本人の健康や生活の状態に変化がないかを見守ります。
2 財産管理等の委任契約
本人はしっかりしているものの、高齢や病気などにより本人の心身の状態が不安になったときに任意後見契約がスタートするまでの間、日常的な金銭管理や万一の入院等の医療契約など任意後見事務の一部を受任者に頼んでおくことです。
財産管理等の委任契約で委任を受けた人のことを受任者といいます。受任者に委任する内容として定める事項は大きく二つに分かれます。一つは財産管理、もう一つは身上監護です。
財産管理 ・金融機関での現金の引き出し、預入、振り込みなど
・電気、ガス、水道、電話代などの支払い
・家賃の支払いなど
・各種保険の契約、解約、保険金の請求など
身上監護 ・入院するときの手続
・介護施設に入所するときの手続
・入院中、退院時に必要な手続き
・介護保険の要介護認定の申請
・介護サービスの利用時に必要な手続き
・介護サービスの内容の変更、解除、契約更新など
・医療、介護サービスを利用したときの支払いなど
3 死後事務委任契約
本人が亡くなった後の様々な手続きを第三者に行ってもらうように定めておく契約です。信頼できる相手として選んだ人に死後事務も任せたい場合、この方法をとると契約関係も複雑にならずにすみます。
主な死後事務として
・死亡の連絡(親族、知人等の関係者)
・役所への届け出や加入団体への退会届など
・葬儀の準備、手続き、お墓の準備(納骨、埋葬など)、永代供養の手続
・医療費の清算
・介護施設、老人ホームへの支払い、その他の債務の弁済
・遺品の整理、支払いなど
任意後見契約公正証書を作成する費用について
1 公証役場の手数料
1つの契約につき、11000円、それに証書の枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により4枚を超えると、超える1枚ごとに250円が加算されます。
2 法務局に収める印紙代 2600円
3 法務局への登記嘱託料 1400円
4 書留郵便料 約540円
5 正本謄本の作成手数料 1枚250円×枚数
※なお、任意後見契約と併せて、通常の委任契約をも締結する場合、その委任契約について、さらに上記1が必要になり、委任契約が有償のときは、1の額が増額される場合があります。
専門家に依頼する費用について
報酬については、各士業で自由設定となっております。
かわばた福祉法務事務所の場合、任意後見契約書の作成サポートとして80000円となっております。(戸籍謄本、住民票などの取得費用は実費精算となります)
通常、移行型任意後見契約と公正証書遺言書を一緒に作成することになります。
詳しくはいつでもご相談ください。
特定行政書士・社会福祉士
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