改葬(お墓の引越し)
改葬とは、今のお墓から新しいお墓へ遺骨の埋葬地を替えることです。
核家族や少子化の影響で、自宅近くにお墓を移したいと考える人が増加しています。
手続きとして
①移転先のお墓の管理者から「受け入れ証明書」、現在の墓地管理者から「埋蔵証明書」を受け取ります。
②現在の墓地の市区町村役場で「改葬許可申請書」を受け取る。
③「受け入れ証明書」と「埋蔵証明書」を提出し「改葬許可書」を現在の墓地の市区町村役場で受け取る。
④現在の墓地管理者に「改葬許可書」を提示し遺骨を取り出す。
⑤移転先の墓地管理者に「改葬許可書」を提出し遺骨を埋葬します。
※自治体、地域、宗派、寺院によって異なる場合もあります。
※我が家も、神戸のお寺から川越のお寺へと改葬したのですが、お寺さんからお経をあげていただき簡単に移すことができました。改葬を考える場合はまずお寺さんに聞かれることをお勧めいたします。
日本には、昭和23年に制定された「墓地・埋葬等に関する法律」があり、墓地、納骨堂以外の場所に遺骨を埋葬、埋蔵してはならないと規定されています。
お骨の置き場所が不要であると考える人や環境への配慮、自然に帰りたいとの希望に応え、平成2年「葬送の自由をすすめる会」が散骨を始めました。散骨は、法律的に許可されているわけではありません。埋葬法は、火葬と土葬を前提としており、散骨については規定がありません。散骨しようとする場合は、周辺地域の住民への配慮、環境への配慮が当然必要でしょう。
最近は、メモリアル(記念)として墓を位置づけるという面も平成に入ってからでてきました。これにより、仏教的伝統の供養塔としての、和製三段墓や五輪塔だけでなく、形も自由になってきています。
お墓の選択肢
・境内墓地 寺院所有地内にある、檀家専用の墓地
・霊園 公営と民営があり、宗旨、宗派は不問 管理するだけで、供養は遺族の判断
・共同墓地(墓埋法の対象外) 墓埋法施行前から存在する、集落の既存墓地や家墓
・納骨堂 お墓のマンション、墓石建立より安価、天候に関係なくお参りできる
・手元供養 遺骨をペンダントに加工するなど、ご遺骨を少し取り分け、形見として身近におきアクセサリーとして身につける供養方法です。
中村勘三郎さんの奥様好江さんは、遺骨からダイヤモンドを作る方法で指輪にしました。
・ネット墓地 サービスを提供している会社と利用契約を結べば、いつでも故人のお墓詣りができます。お墓はバーチャル空間にあり、線香を手向けたり、水をかけたり実際のお墓詣りと同じことが再現できるサービスもあります。ネット墓地のみを利用する場合は、お寺などに遺骨を納める納骨先を別途考えなくてはいけません。
・散骨専用の島 島根県カズラ島
最大の特徴としてカズラ島は自然公園法に基づいて、大山壱岐国立公園「第一種特別地域」に指定されています。第一種特別地域は一切の建築物、及び構築物は認められない地域であり、カズラ島は将来にわたって人の手の入らない自然を残した無人島としての存在が約束されています。
対岸には慰霊所が設けられています。
料金は散骨の方法により、176000円~291500円
・築地本願寺 創建400年を記念して東京都中央区の境内に計4万8000柱の遺骨を納めることができる納骨堂を建設しました。
問い合わせは 築地本願寺コールセンター 0120-792-018
七回忌まで個別保管 50万円から(以降は合同区画)
三十三回忌まで個別保管 100万円からの永代使用冥加(みょうが)金が必要
当初からの合同区画への納骨は30万円
築地市場に隣接し、築地本願寺カフェTsmugiでは8時から11時まで18品目のおかず、おかゆ、お味噌汁の食事が好評です。
・自宅に墓石 自宅用の小さな墓石が、都市部の高齢者を中心に売れています。
単身世帯や核家族の増加などを背景に、墓の維持、管理ができず墓じまいする人が増えたうえに、コロナ禍で葬式や墓参りを敬遠する動きも影響しているようです。
自宅用の墓石として、小さな四角い石(高さ約14センチ、幅約12センチ、長さ約12センチ)でタンスの上に置けます。
宅墓(たくぼ)として約7万円ぐらいから購入できます。
特定行政書士・社会福祉士
かわばた福祉法務事務所
代表 川畑静美(かわばたしずみ)
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