遺言の重要性


遺言書はお金持ちの人が書くもの?

 

最高裁判所の統計では調停などが成立した遺産分割事件を

金額別にみると、1千万円以下で約3割を占めています。

また、最近は子ども同士は仲がよくても、お金に困っている

子どもがいれば書いておいた方がいいようです。

新型コロナウイルスの感染拡大も影響を与えていると思います。


元気だからまだ遺言書を書くのは早い!


遺言が争続対策としては最も有効な手段です。

法定相続より遺言書の内容が優先されます。

高齢者の場合、認知症などで、医師や公証人に遺言をする能力がないと認められると、遺言を書くことはできません。

最近も公証人から、遺言者の判断能力がなく、断るケースが増えてきたとお聞きしました。

元気でしっかりしているうちに、誰に何を遺すか自分の意思をハッキリ書いておきましよう。

遺言書は何度書き直してもかまいません。


 遺言書は夫婦で書いておきましょう

 

 

どちらが先に亡くなるかわかりません。

遺言書は、夫だけでなく妻も作るこ とが望ましいと言えます。仮に今、妻にはほとんど財産がなくても、将来夫が亡くなった後、妻が財産を相続するケースも多いはずです。それを今度は誰に遺すか決めておかないと、トラブルになることがあります。

 

もし、遺された妻が夫の財産を相続したあとで、認知症になったりしたら、遺言書を作ろうにも作れません。将来、子ども同士が相続でも揉めないためにも遺言書を書いておくことをお勧めします。

遺言書に法的効力はありませんが、付言事項で財産の分け方はこのような想い、考えで分けたなど書いておくことができます。

 

 愛と感謝のメッセージ、それが遺言の本質です!

 


事実婚のカップルの財産を守る

 

戸籍上の婚姻関係がないと、どんなに長く一緒に暮らしていても相続人にはなれません。

もし、相手が亡くなると一緒住んでいたマンションに住むことができなくなるかもしれません。

遺言書で、遺贈すると書いておけばともに築いた財産を守ることができます。

ただし、遺贈にも二通りあり注意が必要です。

たとえば、全財産の3分の1と財産の割合を指定する包括遺贈は、相続人と同じ権利や義務が発生するので、もし借金があれば引き継ぐことになります。

 

もう一つの特定遺贈であれば、自宅マンションなどと具体的に指定して遺贈すれば、借金などの負債は引き継ぎません。

おひとり様が友人に遺産を遺したい

 

相続人がなく、身よりがない場合、何もしないと遺産は国のものになってしまいます。

 

お世話になった人や友人に遺産をあげたい場合は、遺言書に遺贈すると書いておきましょう。

 

また、ユニセフや慈善団体に寄付をする場合も、遺贈すると書いておくことが可能です。

ただしほとんどが現金で受け付けることが多いので、事前に寄付をする団体に確認をしたうえで遺言書を書いておきましょう。

 

私が遺言執行者として日本盲導犬協会に遺贈したときも、事前にど寄付をのような形で寄付を受け付けるのか確認をし、自宅不動産を売却し現金で寄付をしました。


財産のほとんどが不動産の場合

 

遺産が自宅不動産と預貯金が少しという方も多いと思います。不動産は分割しにくく揉めることが多い財産となります。

不動産を誰に相続させたいか遺言書で決めておくことで揉め事を防ぐことができる可能性があります。

その際、付言事項でどうして自宅を相続させたいのか、想いや心情を書いておくことです。それを読んだ他の相続人が納得することになり、結果としてスムーズに相続を終えることができます。